フリーランスは自由な働き方が魅力ですが、その自由さゆえに自分を律する力が求められます。
納期はもちろん、複数案件の同時進行、家事やプライベートとの両立など、すべて自分で管理する必要があります。
今回は時間管理のポイントや具体的な方法を、初めてフリーランスを目指す方にもわかりやすくご紹介します。
フリーランスが時間管理をするメリット
フリーランスは勤務時間が決まっていないため、だらだらと作業を続けられてしまったり、逆に働きすぎてしまったりしやすいです。
特に、在宅ワークの時間が多いフリーランスの場合、生活と仕事の境目が曖昧になりやすく、それが作業効率を落とす要因になることもあるでしょう。
フリーランスが時間管理の意識を持つことは、次のようなメリットがあります。
- 生産性の向上
- 仕事とプライベートのバランスが取れる
- 収入の安定や増加につながる
- 自己成長のための時間を確保できる
- クライアントからの信頼が高まる
フリーランスの時間管理の基本的な考え方
フリーランスの時間管理は、会社員のそれとは根本的に異なります。
会社員は会社から決まった給与が保証されていますが、フリーランスは働いた分だけ収入になる仕組みなので、効率的に時間を使えるかどうかが収入に大きく影響します。
また、フリーランスには次のような特有の課題もあります。
- 複数のクライアントや案件を同時進行する必要がある
- 営業、制作、経理など多様な業務を一人でこなす
- 自宅など作業環境によっては集中力の維持に工夫が必要
- 収入の不安定さからくる焦りや不安
これらの課題を解決するためには、順序立てて計画的に時間管理に取り組むことが重要です。
次に紹介する5つのステップを順番に実践すれば、効率的な時間の使い方が身につくはずです。
フリーランスの具体的な時間管理術 5つのステップ
ステップ①:現状を把握する
まずは、自分が一日をどのように使っているかを知ることから始めます。
たとえば、一週間分だけ「時間記録アプリ」や手書きのメモで、起きてから寝るまでの行動をすべて記録してみましょう。
すると、「意外とSNSに時間を使っている」「メール返信に30分以上かけている」といった発見があります。
こうした「見える化」が改善の第一歩です。
ステップ②:タスク管理ツールで可視化する
効率的な時間管理には、タスクを一元管理する仕組みが欠かせません。
スケジュール帳やカレンダーでも構いませんが、Webツールを使用した方が、スケジュールの変更や複数タスクの管理がしやすいといった点でおすすめです。
代表的なツールは以下の3つです。
ツール名 | 主な機能 | メリット | 注意点 | おすすめ活用例 |
Trello | ボード・カード形式でタスク管理 | 視覚的でわかりやすい | ボードが増えすぎると煩雑に | 案件ごとにボード分け |
Todoist | 優先度・期限設定 | シンプルで直感的操作 | カレンダー連携は弱め | 日々のToDoリスト |
Notion | 多機能オールインワン管理 | メモ、データベース、外部ツール(Slackなど)との連携が可能 | 初期設定に時間がかかる | プロジェクトと資料を一元管理 |
Trelloは、案件ごとにボードを作り、進行状況を「未着手」「進行中」「完了」にドラッグ&ドロップするだけ。視覚的に進捗がわかります。
Todoistはシンプルさが魅力で、期限や優先度を設定し、完了時はチェックマークを付けて達成感を得られます。
Notionは高機能で、タスク管理・議事録・アイデアメモまで一括管理が可能です。機能が多い分、使いこなすのには少し慣れが必要です。
筆者個人的には、GoogleカレンダーとGoogle ToDo リストを連携させるのもおすすめです。すべての予定とタスクを、カレンダー上で俯瞰的に見られる点が気に入っています。
ステップ③:ポモドーロテクニックで集中力を保つ
ポモドーロテクニックとは、「25分作業+5分休憩」を1セットとして繰り返す方法です。
4セット終えたら15〜30分の長めの休憩をとります。
短い集中時間を区切ることで、脳の疲労を防ぎ、作業効率を維持します。
筆者は主にYouTubeで「ポモドーロタイマー」と検索して見つけた動画を流しながら作業しています!
スタイリッシュなデザインのものから、自然音が入ったものまで様々なので、お気に入りを見つけてみてください。
ただし、作業の流れが途切れる場合がある点は注意が必要です。
特にアイデアを練っているときや、集中が深まったタイミングで休憩に入ると、再び同じ集中状態に戻るまでに時間がかかることがあります。
初めて取り入れる場合は、まず一週間ほど試し、自分に合ったサイクル時間(例:30分+5分、45分+10分)にカスタマイズしていくと続けやすくなります。
メリット:集中力を維持しやすい、達成感が得られる デメリット:作業の流れが途切れる場合がある |
ステップ④:タイムブロッキングで予定を確保する
タイムブロッキング法とは、スケジュールをあらかじめ時間単位でブロックに区切り、特定のタスクを割り当てる時間管理術です。
作業がダラダラ続くのを防ぎ、効率的にタスクを進められます。
Googleカレンダーなどのツールを活用すると、時間ブロックを色分けして視覚的に管理でき、予定の抜け漏れも防げます。
ただし、突発的な予定や急な依頼が入ると計画が崩れやすく、再調整が必要になる点はデメリットです。予定の一部に「予備時間」を設定しておくと、こうしたリスクを減らせます。
最初から一日すべてをブロックで埋めるのではなく、「午前だけ」「重要タスクだけ」といった部分的な導入から始めるのがおすすめです。
メリット:計画性が高まり、予定を守りやすい デメリット:突発的な予定に弱く、調整が必要 |
ステップ⑤:休憩とリズム作り
休憩を取ることも、効率的な働き方には不可欠です。
スケジュールに食事や息抜きをする休憩時間をあらかじめ組み込んでおくと、フリーランスによくある「休憩が長引き予定していた仕事が終わらない」といった事態を避けられます。
さらに「週1〜2日は完全休養」などマイルールを設定しましょう。
フリーランスは休日の概念が薄れがちになり、気づくと毎日働いている状態になりがちです。QOLを維持するためにも、自分で休日を設定するのをおすすめします。
疲れて頭がぼんやりする、どうしても眠い、といった時には作業をいったん切り上げる柔軟さも大切です。
スマホのタイマーを使用して20分程度の休憩を取り、頭を切り替えて仕事に集中できるようにする、といった自由に時間を使える点はフリーランスの強みでもあります。
時間管理術を取り入れた理想の一日スケジュール例
ここまで紹介したタスク管理術・ポモドーロ・タイムブロッキングなどを組み合わせた、一日のスケジュール例を用意してみました。
自分に合った時間管理術を身に着ければ、こんな一日が実現できるようになるかもしれません。
▼フリーランスのライターの一日
時間帯 | 行動 | ポイント |
8:00〜8:30 | 朝の準備・タスク確認 | タスク管理ツールで「今日やること」を整理 |
8:30〜10:30 | 集中作業(ポモドーロ4セット) | 25分作業+5分休憩で集中力を維持 |
10:30〜11:00 | コーヒーブレイク&軽いストレッチ | 脳をリフレッシュし次の仕事に備える |
11:00〜12:30 | 取材・資料整理 | 重要タスクは午前中に |
12:30〜13:30 | 昼食&散歩 | 頭を切り替えて午後に向けてエネルギー補給 |
13:30〜15:30 | 原稿執筆(ポモドーロ4セット) | 集中作業タイムその2 |
15:30〜16:00 | メール返信・事務作業 | 軽めの作業に切り替え |
16:00〜17:30 | 修正対応・追加依頼処理 | 優先度の高いものから対応 |
17:30〜18:00 | 明日のタスク整理 | 翌日の段取りを決めて不安を残さない |
18:00以降 | 完全オフタイム | 趣味・家族・友人との時間を確保 |
今日から時間の使い方が変わる
フリーランスの時間管理は、仕事の効率だけでなく、生活全体の質を高めることにつながります。
今回紹介したツールの活用法や時間術(ポモドーロ・タイムブロッキング)、そして計画的な休憩の取り方は、どれもすぐに試せる実践的な方法です。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは気になるものを一つ選び、一週間だけ試してみてはいかがでしょうか。
小さな改善を積み重ねれば、自分に合ったリズムが自然と身につき、仕事とプライベートの両方でゆとりを感じられるはずです。
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