ポンコツが行く!はじめての京都一人飲み

こんにちは。ライターのゆ屋です。

皆さんは「一人でいること」に不安や恐怖を感じることはありますか?私は不安よりも「解放感」を感じます。人に気を遣いがちな性格なので、自分のペースで行動できることが嬉しいのでしょうね。

そんな私でも、一人でいて不安を感じることはもちろんあります。最近で言うと、人生で初めて「金縛り」にあった時です。

それは寝入りばなのこと。目を閉じ、眠りにつこうかという時、体がピキーンと固まって、指一本動かせなくなりました。

おお、これが噂に聞く「金縛り」というやつか!

と、一人感動していたら、何やら部屋の外からゾゾゾ…と重たいものを引きずるような音がしてくるではありませんか。これはちょっとまずいかも?と焦りはじめ、不安になってきました。助けを呼ぼうにも声も出せません。そんな時思い出したのが、インスタで見た、

心の中で強気な言葉を叫びまくる!

という対策でした。お化けなんて見たくないので、必死に心の中で「来るんじゃないよォ!!」と叫んでいたら、本当に金縛りが解け、音も止みました。そのまま安心して朝を迎え、今も何ごともなく過ごしています。

調べてみると、「金縛り」という状態は、“脳は覚醒しているけれど、体は眠っている状態の時に起きやすく、その際、幻聴や幻覚も多い”とのことでした。お化けじゃなかったんだと思うと、なんだか安心しますね。

…まあそんなこともありましたが、前述の通り、基本的に私は「一人でいること」が好きです。今回はそんな私が「初めて一人飲みをした時」のお話です。


筆者撮影

さかのぼること7年前、2018年の11月。私がまだ20代の頃のことです。ある時、父と兄が京都に行くというので、私も便乗することにしました。とは言っても、父と兄とは見たいものや行きたいところが違うので、往復の移動時のみ一緒に行動し、他は一切別行動、つまり私は一人で行動することにしました。

日中は鴨川をぼんやり眺めたり、下鴨神社に行ってみたり、自由に動き回りました。一度ホテルに戻って休んだのち、日の暮れた街に繰り出します。もちろん目的は「飲むこと」です。 予め行きたい店をピックアップしておき、順にハシゴしていくことにしました。ところが…?Googleマップで「ふむ、店の位置はここだな。つまり最寄り駅は…ここだ!」と、出発前に事前確認したのですが、この時既に最寄り駅が間違っていました!!

駅に到着し、「さて、どっちに行くんだったかな」とマップを確認したら、なんと“ここから徒歩30分”と表示されるではありませんか!

なん…だと…!?

自分のポンコツ加減に愕然としつつ、仕方なくテクテク歩きはじめます。真っ暗な秋の夜。街灯はあれど、あまり人の姿は見かけません。いっそタクシーを使えばよかったのですが、この時の私の財力と発想では、タクシーという選択肢はあろうはずもなく。見知らぬ街の夜にちょっとビクビクしつつ、どうにか目的の店に到着。ほっと安心しました。昼間はともかく、人の少ない道の一人歩きはちょっと不安でしたね。

さて、ハシゴする気満々だったので、あまりがっつり飲み食いしないようにと考え、最初の店では

・きゅうりの一本漬け
・出汁巻き卵
・日本酒一合

を注文。
「そう言えば、正しい最寄り駅はどこだったのだろう。ついでにおすすめとか聞けたらいいな」とふと思い、店員さんに尋ねるも、簡潔に駅名を伝えられ、忙しそうに去っていく背中を見送るほかありませんでした。

到着したきゅうりと出汁巻き卵は、とても美味しかったです。特に出汁巻き卵は、箸で切り分けるとジュワッと出汁があふれて最高でした。「なんだかしゃべりたい気分になってきたなあ」と思い、お会計して退店。次の店に向かいます。

まだ早めの時刻でしたが、次に向かった店では、外に待機列ができていました。11月の夜は、外で待つにはちょっと冷えます。早々に諦め、近くで別の店を探すことに。

今度は人の多いエリアだったので、少し安心しながらふらふら歩いていると、“柳小路”という、なんだかとっても趣のある小路を見つけました。小路に入っていくと、小さな飲み屋がぎゅぎゅっと並んでいます。暖簾越しに混雑具合を見ながら歩いていると、空席のある店を見つけました。

店の入り口に日本酒の瓶が置いてあったのが決め手となり、その店に入ってみました。入ってすぐに階段があり、1階はカウンター席のみの造りでした。

外から見て空いていたそのカウンター席に座り、とりあえず日本酒を注文。隣の席は空いていて、その向こうに一人お客さんがいました。一人静かに飲みつつ、先ほどの“しゃべりたい欲“を持て余していると、その思いが通じたのか、奥のお客さんに話しかけられました。やった!しゃべれる!!

どこから来たのか、どんな仕事をしているのか。

当たり障りのない話をしていたら、隣の席に男性が座りました。“一時的に席を外していたが、戻ってきた”とのことでした。今度はその方も交え、私たち三人と店のご主人も交え、いろいろな話をしました。

隣の席の男性は、海上自衛隊の方で、陸に上がると即飲み屋に駆け込み、とにかく飲みまくるということや、47都道府県、全てに行ったことを話してくださいました。奥の席の男性は店の常連で、京都市内の小学校で教員として勤めているとのことでした。

話している間も、日本酒をおかわりしたり、店の方おすすめのスコッチエッグを食べるなど、箸も止まりません。

笑ったり、感心したり、誰かと飲むのもいいなあ、としみじみ思いました。

自分の感覚的にだいぶ酔ってきたという自覚があったので、そろそろ帰ることに。もっとハシゴするつもりでしたが、この店でだいぶ長いこと過ごしたので、それなりに遅い時間になっていました。最後に、もう会うことはないだろうということで、三人で名乗り合い、楽しく話せたお礼を言って店を出ました。帰りは店のご主人のすすめでタクシーで帰りました。

忘れられない、楽しい夜になりました。


これが私の初めての一人飲みの思い出です。

私は、とある友人をして“こんなに方向音痴な人見たことない“と言わしめた人間です。そんな人間なものですから、地図を読み間違うなど、ポンコツを発揮することもよくあること。その自分のポンコツさゆえに、この京都での一人飲みは、人の少ない夜道を一人で歩くという、思いがけない不安を体験することになってしまいました。

そういうことがなければ、特に怖いとか、不安だとか感じることはなかったと思います。

皆さんも、一人で飲む時はどうぞ、ご安全に。私のようにポンコツを発揮しないでくださいね(笑)

それでは、また!

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ABOUT US
ゆ屋
某百貨店のSNSアカウント運用を約3年間担当。また、並行して画家として活動する傍ら、ブログも執筆。元気いっぱいの3歳児(金魚)と暮らしている。たまに水をかけられるので叱る。日本酒が大好き。